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『親愛なる僕へ殺意をこめて』が全国のサイコパスにお勧めしたい名サスペンスだった件

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(出典):マガジンポケット 公式サイトより

『親愛なる僕へ殺意をこめて』は、2018年3月から週刊ヤングマガジン(講談社)で連載スタートし、現在はウェブコミック配信サイトのコミックDAYSで連載中のサイコサスペンス漫画です。

 

原作・井龍一、作画・伊藤翔太という方なのですが、調べてもあまり情報が出てこないので、たぶんこれが処女作なんですかね……?だとしたら驚きモモノキです…

 
犯罪者として世間を賑わせた父をもつ主人公が知らぬ間に連続殺人事件に関係していることから展開していくサスペンス作品です。最近一世を風靡した『テセウスの船』のように自分の父の無罪を主人公が奮闘する作品のため、読み応えはかなり似ているかと思います。ただ、本作品では「二重人格」という要素がブンゴリと絡み合ってくるため、大いなる差別化ができていると思います……!むしろ私は『親愛なる僕へ殺意をこめて』のほうが好きかな……!  

※ネタバレほぼ無です!あらすじ紹介ぐらい!

本棚はこんな感じになる

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あらすじ

「人生は楽しんだもん勝ち」がモットーの大学生・浦島エイジ。だが彼は、人には言えない“過酷な運命”を背負っていた。その現実と向き合った時、彼は惨劇に巻き込まれていく―――。

(出典):Wikipediaより

主人公・浦島エイジは大量殺人事件(通称:LL事件)の容疑者であった父親を持ちながらも周囲に事実を隠しながら日常を送っていたところ、ある日ひょんなことから自分が多重人格者であることに気付きます。

もう1つの人格:B一(ビーイチ)の影響で半グレ集団に巻き込まれたり、素敵な彼女ができたり、素性不明な協力者が出てきたり……!そして次第に過去のLL事件の因果に巻き込まれていく……!というサスペンス要素が熱盛なマンガです。

 

というか、ここまで書いて思いましたが作者のTwitterに上がっているPV見た方がぶっちゃけアツい気持ちになれます……とりあえず見ましょう…

↓↓これね↓↓

 

 

 

まずは基本情報から

2020年6月現在9巻まで発売済みです。

まだまだ売り出し中の漫画なので発行部数がなんちゃらという話は上がっていないのですが、Twitterでは「かなりおもしろい!」「薦められて読んだら半端なかった!」という感想が飛び交っているようなのです。また、作者も布教には力を入れていて、Twitter上で作品PVを公開していました……!クオリティたけえぇ……

 

発行部数だけでなく作品の受賞歴も全然ヒットしなかったんですが、これは今後賞を乱獲していくという壮大な伏線に過ぎません……!

連載開始が2018年と直近なのと、連載誌がヤングマガジンとちょっとネームパワーが劣るところもあり世間へのプッシュがいまひとつだったのではと邪推しております……とはいえ作品自体の面白さは最近のサイコパス漫画の中でも頭一つ抜きん出た存在のため、2020年度はマンガ大賞にでもノミネートされる作品になるのではないでしょうか……!?

  

 

 

総合評価

ストーリー ★★★★★★★★★
画力 ★★★★★★★★★★
キャラクター ★★★★★★★★★★
ロジック ★★★★★★★★★★
コマ割り ★★★★★★★★★★

 

最近のサイコサスペンスジャンルの中では一番の傑作かと思われます……!

二重人格の設定の使い方が非常にうまいんです…!

最初に見た時は「設定だけで乗り切ろうとする幾百のポンコツ漫画かな……?」と疑っていましたが、その設定の扱い方がかなり面白いと感じました。作中描画されているのは主人公・エイジの行動がメインで、もう1つの人格:B一(ビーイチ)の行動は基本的には描かないようにしているのです…!これは斬新…!

また、お互い人格が入れ替わっている間の記憶は分からないという設定のおかげで人格が入れ替わるたびに時系列が飛び飛びになり「入れ替わっている間何があったんだ……!?」というワクワク感があるのがVeryGoodです……神……

 

あとは詳しくはネタバレになってしまうので言えませんが………登場人物のサイコパス感が絵の雰囲気とマッチしていてかなり引き込まれるのです…あんまり登場人物がキチガイじみていても読者がついてこれないと思うのですが、その辺の塩梅がよくできてるって感じなのです。

 

あとは単純に絵がうまいですよね。

第1巻ではエイジの彼女:雪村京花ちゃんが登場するのですが、これが可愛いことやんごとなし…!ぶっちゃけこれだけで次の巻を購入する購買意欲がもりもり湧いてきます……かわええんじゃ~……!

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(出典):親愛なる僕へ殺意をこめて コミックス1巻より

 

 

 

ここがアツい!

ストーリー後半にやってわかる衝撃事実の嵐!
やはりサスペンスはこうでなくちゃ!

二重人格によるエイジの空白期間は…?過去のLL事件の真相とは…?エイジに近づく人々の思惑はいかに……?などなど序盤に登場した謎がストーリー後半に漏れなく回収されているのは見事と言わざるを得ませんね……!謎解きも比較的スピーディに描かれていてダラダラと中弛みするような展開ではないこともポイントの1つでしょうか…!

 

どの登場人物にも知られざる過去があり、特にあの人の演出はかなり驚かされましたねぇ……!この私が「え、おまえマジかよ……!」とリアル絶句してしまい嗚咽を漏らしてしまったほどなのです……!出来のいいサスペンス小説を読んでいるような気分になりました。

 

『親愛なる僕へ殺意をこめて』というタイトルも後半を読み進めるにつれて「なるほど、そういうことじゃったか……!」と唸るいいタイトルでしたね笑

 

サイコパスを登場させて一通り暴れさせるだけの凡百エセサスペンス漫画とはわけが違います。サイコパス側にもサイコパスなりのロジックが組み立てられており、それに主人公が立ち向かっていく姿は非常に魅力的でした……!

 

 

 

総評

『親愛なる僕へ殺意をこめて』いかがだったでしょうか?

最近ありきたりなサイコパス漫画と侮ってはなりません!

ぜひご一読ください!

原作:井龍一 漫画:伊藤翔太 ¥660