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『シャドーハウス』が令和の新ダークファンタジーの覇権を握らんとする怪作だった件

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(出典):となりのヤングジャンプ 公式サイトより

『シャドーハウス』は、2018年から週刊ヤングジャンプ(集英社)で連載がスタートしたダークファンタジー漫画です。作者はソウマトウ先生という方なのですが、調べても情報が出てこず断念しました…

 

貴族のお屋敷で働くメイドたちの暮らしをかわいらしいタッチで描いたほのぼの日常もの(キャワワ〜)……と思いきや、徐々に明かされていく不穏な設定が怖いと漫画界を震え上がらせてる漫画です。

 

顔を持たず全身真っ黒なシャドー一族(お影様)と彼らに仕える「生き人形」とは一体…?そして彼らを生み出したと言われる“偉大なるおじい様”の真意とは……

 

第1話から前触れなく始まる(ほぼ説明なく始まるので「あれ、間違えて2巻から読んでる…?」と思うぐらい…)シャドー家の生活に「?」マークが飛び交いながらも不思議な魅力に取り憑かれ読み進めてしまうのであった…!

行くぜ……!

※ネタバレほぼ無です!あらすじ紹介ぐらい!

本棚はこんな感じになります。

1巻だけ読んでみたら面白すぎて勢いよく大人買いです。

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あらすじ

訪問者のいない不思議な洋館「シャドーハウス」。そこには顔のない一族「シャドー」と、それに仕え「顔」役を務める「生き人形」たちが暮らしていた。

生き人形の少女・エミリコは顔のない主・ケイトの役に立とうと、日々奮闘している。

こどものシャドーは部屋から出ることが禁じられているが、エミリコは大掃除を通じて他の生き人形と交流を持ち、またケイトから多くのことを教わって成長した。そして、エミリコの前向きな明るさは、ケイトをはじめとして、かかわった人々を少しずつ変化させていく。

やがて、こどものシャドーたちがその資質を試される「お披露目」の日がやってきた。様々な試練を乗り越え、エミリコとケイトは無事「お披露目」を突破、成人したシャドーとして扱われるようになるが、同時にこの館の異質さも少しずつ明らかになっていく。

 (出典):Wikipediaより 

主人公・エミリコたち生き人形が、顔のないシャドー家の人々の「代わりの顔」として生活するシャドーハウスでの物語を描いた作品です。

シャドー家の人々には本当に顔がありません…顔がないどころか全身真っ黒なさまはまさにシャドー…!自身の不安・怒りなどの負の感情に応じて体から「すす」が頭上から煙にように立ち上がったりなど、その存在は人間とは明らかに一線を画しています…!

生き人形・エミリコ(可愛らしい…!)

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(出典):シャドーハウス コミックス1巻より

 シャドー家・ケイト(可愛らしいかも…!?)

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(出典):シャドーハウス コミックス1巻より

 

第1巻では、エミリコとケイトの日常を描いておりほのぼのとした展開なのですが、あらすじにもある通り第2巻以降はその他の生き人形&シャドー家の人間が多数登場してシャドーハウスの謎に迫っていきます……!この展開には手に汗握らざるを得ませんなのです…!!!

 

 

 

まずは基本情報から

2020年7月現在、単行本5巻まで発売されています。

発行部数などの情報は全く出ていませんが、SNS上では「買いたいのに本屋で売り切ればっかり…!」「全然本屋に単行本がない…!」など嬉しい悲鳴(?)見られます。まだまだ連載開始直後の漫画なので発行部数が少ないのはあるのでしょうが、それでも売り切れはスゴイ…!今のうちに買っとかなきゃ……

あと既刊5巻なのに既にスペイン語版が出版されているという事実…!すごい早すぎる………とはいえ絵柄がものすごく奇麗で洋風な感じなので海外ウケが高いのも納得の一打ですね!

  

 

総合評価

ストーリー ★★★★★★★★★★
画力 ★★★★★★★★★★
キャラクター ★★★★★★★★★★
ロジック ★★★★★★★★★★
コマ割り ★★★★★★★★★★

「ほのぼの不穏ファンタジー」という新ジャンル!

シャドーハウスの謎を解き明かすドキドキ感と日常ほのぼの感のダブルパンチで心がおかしくなりゅ〜〜…!!!

とんでもない怪作と巡り合ってしまいました…!感謝するぜ、お前に出会えたこれまでの全てに……!

 

あえて例えるなら

「ちびまるこちゃんに貞子が登場する脚本を山田悠介に描かせたマンガ」

とでも言いましょうか…

(たぶん違う……)

 

シャドーハウスという謎とファンタジーの塊を扱いながらも、どこかほのぼのとした日常感も演出しており脱の帽です。

絵柄もダークファンタジーとベストマッチしており、「この人にしか書けない!」と思わせるマンガですね…!

 

現在5巻まで発売されており、シャドーハウスの謎は深まるばかり、私のワクワク感は右肩上がり、と私の中で今一番最新刊が待ち遠しいマンガの座に見事着陸しているのがこの『シャドーハウス』なのです…!いち早く読んでほしいのです…!

 

 

 

ここがアツい!

ほのぼのなのにこんなに不穏…!ブラック要素がゾッとする快作ファンタジー!

第1話の時点で、ろくに説明もないのに引き込まれる…「あぁ、『日常』とか『からかい上手の高木さん』みたいなほのぼの系かなぁ…?」と思いつつも、その繊細でキレイながらどことなく暗い正にダークファンタジーな不穏な雰囲気を醸し出している……

この魅力を形成している一因として、まずは何と言ってもその絵柄に言及せざるを得ないのです…少し童話的で絵本的な背景の印象とは裏腹に、キャラの顔立ちは今時の目が大きくて可愛いアニメ顔で書かれています。

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(出典):シャドーハウス コミックス1巻より

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(出典):シャドーハウス コミックス1巻より

エミリコとケイトというダブル主人公の設定で、なんと片方は表情を描かないという大胆さが他に類を見ない圧倒的な魅力なのです……顔は真っ黒で表情なんか分かるはずないのに、エミリコの反応や効果線・すすの表現などを巧みに使いながら顔が見えないのに表情を魅せるテクニック…これには感服感嘆せざるを得ない……!

伏線も盛り沢山、謎も盛り沢山の大盤振る舞い。よくある伏線回収のためのまるで後出しじゃんけんのような怒涛の設定追加・帳尻合わせも今のところ全くなしなのです素晴らしい……

ファンタジーなのにキラキラというよりダークなイメージで押している本作品、今後も非常に楽しみなのです…!

 

 

総評

『シャドーハウス』いかがだったでしょうか?

この可愛いキャラたちが繰り広げるダークファンタジーが魅力的じゃないわけがない!笑。表現力の宝箱!純真無垢なエミリコと謎だらけのシャドーハウスの物語は絶対に読んで公開しない作品に仕上がっています…!

ぜひご一読ください!