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『悪の教典』が本屋大賞受賞作を漫画化したら死ぬほど面白かった件

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(出典):映画「悪の教典」 公式サイトより

『悪の教典』は、2010年に発刊された貴志祐介先生の小説作品です。

そしてこの小説は2012年に『good!アフタヌーン』(講談社)で漫画化しており、今回私が熱烈に紹介したいのがこちらのコミックスになります。また、映画化も同時に達成しているので、『悪の教典』の名前を聞いたことがある人は多いのでは…?実は漫画化もしていたんですよ…知っていましたか…?

 

「まるで出席を取るみたいに、先生はみんなを殺し続けたんだ。」

この謳い文句通り、この作品はサイコパスな先生を主役とした学園サイコホラー漫画です。正直、終始めちゃくちゃ怖かった…!先生の悪魔らしい腹黒い策略の数々、そして幼少期から見せる先天的な凶悪性、自分の受け持つ生徒を思い通りに動かすマインドコントロール……!頭脳明晰なサイコキラーがここまで恐ろしいとは……

 

まぁとりあえずレビューしていきます…!

行くぜ……!

※ネタバレほぼ無です!あらすじ紹介ぐらい!

本棚はこんな感じになります。

6巻以降、ストーリーの展開と合わせて表紙が真っ黒になります。

(個人的にはカラフル路線も好きだったのだが…)

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あらすじ

私立高校で英語を教えている教師の蓮実聖司(はすみせいじ)は、抜群のルックスと朗らかな性格で生徒からも保護者からも慕われていた。しかし蓮実の勤める私立晨光学院町田高校は、携帯を使っての集団カンニングや裏サイトのによる執拗ないじめなど、問題が山積みだった。

穏やかで朗らかな人気教師という表の顔とは異なり、実は蓮実は生まれついてのサイコパス、サイコキラーであり、少年時代には担任教師を殺害し、自分を疑い始めた両親をも殺害してしまったという過去を持っている。

晨光学院高校では保護者や生徒、同僚教師から連日のようにさまざまな問題を持ちかけられる蓮実。そして彼はこれまでと同じように、自分にとって邪魔な存在を消すために次々と殺人を繰り返していく。

 (出典):Wikipediaより

本作の主人公・蓮実聖司は生徒の間で親衛隊が出来るほどの絶大な人気を誇り、また他の職員やPTAの間でも高い信頼を得ているのですが、その正体は決定的に他者への共感能力に欠けたサイコパス(反社会性人格障害)で自分にとっての邪魔者(自分に不快感を与える者、自分の過去の悪事および「裏の顔」を追及・暴露しようとする者)は例え家族や子供、更には動物であっても躊躇せず簡単に殺害できるサイコキラーなのです…!

格闘技を含むスポーツもできかつハーバード大学卒という役満級の頭脳明晰っぷりで史上最強のハイスペックサイコキラーとして描かれています…!

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(出典):悪の教典 コミックス1巻より

 

蓮実は生徒からの絶大な支持とその頭脳明晰っぷりを遺憾なく発揮して学校内に自身の王国を築きすべてを支配下に置くことを目論みます。

蓮実の理想郷建設に向けた計画を進めるうちに、周りの生徒や教師など勘の良い一部の人間は蓮見の異常性に少しずつ気づいていくのですが、その都度蓮見は自身の邪魔者となりうる存在を容赦なく排除していくのです……!

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(出典):悪の教典 コミックス1巻より

 

全ては自身のユートピアのために…!

蓮実の計画は今後どうなっていくのか…!

 

 

 

 

 

まずは基本情報から

2020年7月現在、単行本9巻で完結済みです。

そもそも原作となる小説が2011年本屋大賞を受賞しているなど名作でしたので、コミックスの注目度も非常に高いです。

また、映画の方では東宝系で主演・伊藤英明で全国公開されており、公開からわずか2日間で興行収入3億円を突破した化け物級映画となっています…!当時の観客動員ランキングは初登場第2位だったみたいなので、映画の方で見たことがある方も多数いるのではないでしょうか…?

 

 

 

 

 

 

総合評価

ストーリー ★★★★★★★★★★
画力 ★★★★★★★★★★
キャラクター ★★★★★★★★★★
ロジック ★★★★★★★★★★
コマ割り ★★★★★★★★★★

やはりストーリー構成の熟練度は段違い!

原作小説のコミカライズとしては成功の部類に間違いなく入るでしょう…!

 

本屋大賞受賞作が原作ということもあって、ストーリー展開やロジックは文句ないレベルでまとまっているのがやはり魅力でした。巷のコミカライズ作品などでは、原作にないオリジナルキャラやストーリーを割り込ませたりして内容が崩れるケースもあったりするのですが、『悪の教典』のコミカライズは原作小説に完全に沿って描かれているため、そういった心配は不要ですね…!

純粋に小説のストーリーのまま、それを絵で楽しめるという作品になっております。むしろ作画がついたことにより、作中に見られた蓮見の異常性が視覚的に感じられて2度美味しい…というむしろ小説・映画を一度見た人にこそ読んでほしい作品です…!

 

 

 

 

 

 

ここがアツい!

蓮実のサイコキラーっぷりが半端ない…!圧倒的手腕で邪魔者を排除していく…!

「まるで出席を取るみたいに、先生はみんなを殺し続けたんだ。」

蓮実は自分を邪魔するものは誰であっても容赦なくあらゆる手段を用いて排除していきます。学年の問題児を退学に追い込み、またその暴挙に気付いた生徒・先生も自身の手で人知れず殺害していくなど……これだけのことをしでかしても蓮見は後悔や反省の念を全く見せないのです。このサイコパスっぷりには恐れおののくばかりでした…!(学園中の美少女を思いのままにした後、都合が悪くなったら即排除するというシーンもあって股間に響きました…!)

 

そしてこの作品一番の盛り上がりを見せるのが、やはり最終版でしょう…!

文化祭の準備のためクラス全員が学校に泊り込んだ夜、蓮実は愛人の生徒を自殺に見せかけて屋上から突き落とすのですが、迂闊にもその様子を他の生徒に目撃されてしまうのです。口封じのためクラスメイト40名全員殺害を決意した蓮実は、所持していた猟銃を駆使してついに大殺戮劇が始まるのです…!

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(出典):悪の教典 コミックス6巻より

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(出典):悪の教典 コミックス6巻より

 

自身の犯行の目撃者を消すために、クラスメイト全員の殺害を目論んだ蓮実とそれに対抗しようとする生徒たちの生死をかけた攻防…!そして驚きの結末とは…!?
続きは是非単行本にて!

 

 

 

総評

『悪の教典』いかがだったでしょうか?

やっぱりサイコキラージャンルは人をグッと引き付ける魅力がありますよね…!本屋大賞、漫画化・映画化を達成した社会的評価もクソほど高い本作品をぜひ!

買って後悔はさせません!ぜひご一読ください!

漫画:烏山英司 原作:貴志祐介 ¥660