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『All You Need Is Kill』がハリウッド級原作と神作画の「わずか2巻分」のコラボレーションだった件

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(出典):となりのヤングジャンプ 公式サイトより

『All You Need Is Kill』は、2004年に刊行された日本のライトノベルを原作とするSFタイムループ系漫画です。なんとハリウッド化も達成したこの名原作のコミカライズが2014年に実現したのですが、それを担当したのが神作画であまりにも有名なあの小畑健先生なのです…!(『DEATH NOTE』、『ヒカルの碁』、『バクマン。』などであまりにも有名…!)

 

神原作に神作画を付けたらそりゃおもしろいよ…!

という漫画の原点に立ち返った超ハイクオリティ作品となっております。

まぁとりあえずレビューしていきます…!

行くぜ……!

※ネタバレほぼ無です!あらすじ紹介ぐらい!

本棚はこんな感じになります。

Ebookjapanでヤングジャンプ系列のマンガを購入すると背表紙が真っ黒になるというクソ仕様ホントどうにかしてクレメンス……

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あらすじ

舞台は、異星人が地球に送りこんだ「ギタイ」と呼ばれる敵に襲撃を受ける地球。人類は「機動ジャケット」と呼ばれるパワードスーツを投入し、ギタイとの劣勢な戦いを続けていた。

主人公キリヤ・ケイジは、ギタイと戦う統合防疫軍に初年兵として入隊するが、初出撃で絶望的な戦場へと送り込まれ、そこで圧倒的な戦闘力を持っている若き少女兵士リタ・ヴラタスキの援護を受ける。キリヤは瀕死の重傷を負うものの最後の力を振り絞り、リタたちUS部隊が「サーバ・アルファ」と呼ぶアンテナ付きのギタイと相打ちになって死亡してしまう。

しかしなぜか意識を取り戻し「出撃前日の朝に戻っている」という怪現象に見舞われ、それが幾度も繰り返されることになる。ループする間、他の人間はループを認識できずに同じような行動を繰り返す一方、ギタイたちはキリヤをつけ狙うかのように行動を少しずつ変えながらキリヤを殺し続け、それは戦場に行かず逃亡しても逃れることができない。しかし生と死を繰り返す中、「記憶だけが蓄積される」ことが自分を成長させることを知ったキリヤは、ギタイを倒すために、その能力を活かして経験を積み重ねる。

(出典):Wikipediaより

謎の生命体「ギタイ」と戦う初年兵・キリヤケイジを主人公としたタイムループSF作品となっております。

ケイジは初陣でギタイの猛攻を受けてしまい、左手を吹き飛ばされ頭部を貫かれてしまい、第1巻の中盤にも差し掛からない時点でこれ以上なくあっけなく死んでしまうところから物語が始まります。

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(出典):All You Need Is Kill コミックス1巻より

 

しかし、死んだはずのケイジが目を覚ましたかと思えば、、なんと出撃前日の朝に戻ってしまっていたのです…

自分自身にハッキリと残っている死の感覚に怯えながら、何度出撃を繰り返しても死をトリガーとして出撃前日にタイムループしてしまうことに気が付いたケイジは、ギタイとの闘いから逃げ出すことを試みるのですが、運命の流れからは逃れられないのかどんな行動をしてもギタイに遭遇して殺されてしまい、またタイムループを繰り返すことになってしまうのです…

 

複数回の死を繰り返し、ケイジはタイムループから脱出するためにはギタイとの戦闘を生き残るしかないと考え、ギタイと戦う道を選ぶ覚悟をするのでした。

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(出典):All You Need Is Kill コミックス1巻より

 

 

 

 

 

 

 

まずは基本情報から

2020年7月現在、単行本2巻で完結済みです。

全2巻でまとまっているのが非常に読みやすくてうれしいですね…!原作の筋書きをほとんどそのまま再現してコミカライズしており、それがわずか2巻に収め切っているのは小畑健さすが!とした言いようがありませんね笑

原作がハリウッド化しているとご説明しましたが、日本のライトノベルがハリウッド化したのは『All You Need Is Kill』が初めてだったようです…!日本のクールジャパンの先駆け的存在だったのですね…!

単行本表紙の小畑健感がホントすごい…!ステキ…!

 

 

 

 

 

 

総合評価

ストーリー ★★★★★★★★★
画力 ★★★★★★★★★★
キャラクター ★★★★★★★★★★
ロジック ★★★★★★★★★★
コマ割り ★★★★★★★★★★

ハリウッド級の神原作に神作画をつけたらそりゃあ面白いよ…!面白くなるよ…!

まるで映画を見ているかのような躍動感が堪らない!

 

やはり画力がズバ抜けて最高…!

第1巻序盤の以下のシーンなのですが、未知の敵「ギタイ」とザ・SFな世界が圧倒的な画力で表現されており、ビシビシとこのマンガの世界観が伝わってきますよね…!

全2巻で終わらせるのがもったいないほどの世界観の作り込み・表現力で、ギタイとの戦いだけで単行本10巻ぐらいいけそうでは?と思うのは私だけでしょうか…?(でも全2巻でまとめ切っているからこそのこの面白さなのでしょうね…笑)

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(出典):All You Need Is Kill コミックス1巻より

 

そして登場人物の作画がこれまたステキ…!

下記が単行本2巻の表紙にもなっている本作品のヒロイン的ポジションであるリタ・ヴラタスキなのですが、これがめちゃくちゃに可愛い…!

私が小畑健先生の書く女の子に目がない(『DEATH NOTE』のミサミサ、『ヒカルの碁』の奈瀬ちゃんなど…!)ことを差し引いても、あまりにもリタちゃんが可愛いくて魅力的なのです…!

ただ、このリタ・ヴラタスキはめちゃくちゃ強キャラで戦場では巨大斧を振り回してギタイを屠り倒しており、その戦いぶりから「戦場の牝犬(ビッチ)」と呼ばれるほどなのです…

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(出典):All You Need Is Kill コミックス1巻より

ケンジのタイムループに大きくかかわる、本作品の超重要人物なのです!

 

 

 

 

 

 

ここがアツい!

「絶対に生き抜く」と決意を固めたケンジが熱すぎる…!

タイムループにより何度も死の体験を繰り返したケンジは、序盤はギタイとの戦闘を避けて何とか生き延びようとしたのですが、5周目のタイムループで遂にギタイを全て倒してタイムループを脱出する覚悟をするのです…!

何度も戦闘を繰り返し、ギタイの動きを把握し、自分より戦闘能力のある人物からスキルを貪欲に学ぶなど、その姿勢は傍目からは異様に映っていたはず…!それでもなおギタイに打ち勝とうとしたケンジが熱すぎた…!手の甲に刻んだ数字はタイムループの回数を表しているのです…!(ぶっちゃけめちゃくちゃ死にます…笑)

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(出典):All You Need Is Kill コミックス1巻より

 

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(出典):All You Need Is Kill コミックス1巻より

 

一時期は死を繰り返して自暴自棄になり、異常な精神状態だったケンジでしたが、先ほど紹介したリタとの出会いを契機にケンジの感情も様変わりし、物語はグッと方向を変え終幕に突き進む……!

この完璧な起承転結をわずか全2巻で突っ走る圧倒的な原作力!そして原作の世界観を余すところなく描き切り、「魅せる」アクションシーンを描き切った作画力!

漫画好きとしてはこの作品は見逃せないですね…!

 

 

 

 

総評

『All You Need Is Kill』いかがだったでしょうか?

ハリウッド映画を小畑健の作画で見られる唯一無二の作品となっております。

買って後悔はさせません!ぜひご一読ください!

原作:桜坂洋 構成:竹内良輔 キャラクター原案:安倍吉俊 漫画:小畑健 \446