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『暗殺教室』を一気読みしてその魅力に取りつかれてしまった男

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非常に今更ながら『暗殺教室』という作品を大人買いしてみた。

作者は『魔人探偵脳噛ネウロ』をやっていた方なので当然知っていてなおかつ興味もあったのだが、やれ映画化だ実写化だアニメ化だなどと世間一般の熱量が高まるにつれて、自称マンガ通の私は逆に手を出しずらくなっていた。

どうせ大衆受けを狙ったコミカル作品だろう!(ふふんっ)と高をくくっていたのだが、この度Ebookjapanで50%ポイントバックキャンペーンを実施していたので購入をしてみたのだった。

 

というわけでレビューしていきます…

本棚はこんな感じになります

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あらすじ

ある日突然、進学校「椚ヶ丘中学校」の成績・素行不良者を集めた3年E組の元に防衛省の人間と、異形な姿をした謎の生物がやって来た。マッハ20で空を飛び、月の7割を破壊して常時三日月の状態にしてしまった危険な生物は「来年3月までに自分を殺せなければ地球を破壊する」ことを宣言したうえ、「椚ヶ丘中学校3年E組」の担任教師となることを希望した。

意味の分からない要望に政府は戸惑いつつも、3年E組の生徒に「謎の生物の暗殺」を依頼。生徒たちは最初こそ戸惑うが、「成功報酬:100億円」のために殺る気を出す。その生物=殺せんせー(ころせんせー)の存在とその目的を把握しているのは日本をはじめ各国の首脳陣といったほんの一部の人間のみで、「殺せんせーの存在や殺せんせーの暗殺に携わっていることを、家族を含めた第三者へ絶対に口外してはならない。口外した場合は“記憶消去処置”を施される」「殺せんせーは、3年E組の生徒に絶対に危害を加えてはいけない。ただし、その家族友人は対象外」などの様々な決まりの下に生徒達は殺せんせーを様々な手段で暗殺しようと試みるが、毎回殺せんせーの素早さと予測不能の行動で阻止され、逆に殺せんせーによる手入れを受けることになってしまう。

しかし、いざ授業が始まってみると暗殺者と標的という異常な状況ながら、多くの生徒たちは殺せんせーの指導と手入れによってこの暗殺教室を楽しみ、今までの「学校中から差別された底辺学級」としてではない前向きな学校生活を送るようになっていく。その一方、生徒の他にも殺せんせーを暗殺するため、世界中から暗殺者が送り込まれてくるのだった。

(出典):Wikipediaより

 

今さらあらすじを紹介するようなレベルのマンガではないと思うし、すでにご存じの方も多いのではないだろうか?映画もやっているしね

上のあらすじはだいたい第1巻でワぁーと紹介されるのだが、一見してコミカル要素の強い設定をシリアスさも残しつつ非常に楽しげに紹介されるのがめちゃくちゃよい

 

 

 

 

まずは基本情報から

『暗殺教室』はもちろん週刊少年ジャンプの作品で2012年から2016年の間に連載された作品だ。

1巻の初版は30万部だったが、わずか半年でヒットの指標とされる累計発行部数100万部を超えたようだ。メディアミックスなしでの累計100万部突破はかなり珍しく6巻で初版は100万部を突破。最終巻発売の2016年7月時点で累計発行部数は2500万部を突破しているため、ジャンプ史にしっかり名を遺す名作と言えそうだ。

 

 鉄板どころの漫画賞にもきちんとノミネートされており、私の見る目が間違っていなかったことがよく分かる。

  • マンガ大賞2013年   第6位
  • 全国書店員が選んだおすすめコミック2013 第1位
  • このマンガがすごい!2014年 オトコ編1位

がっつりアニメ・映画化もしているので映像派の人はそちらか見てもよいかもしれない。 

ストーリー ★★★★★★★★★
画力 ★★★★★★★★★★
キャラクター ★★★★★★★★★★
ロジック ★★★★★★★★★★
コマ割り ★★★★★★★★★★

 

 

 

ここがアツい!

先生・生徒の暗殺を通じた関係性が面白い!
キャラも魅力的で深堀も○!

松井先生の描く作品あるあるなのだが、登場人物が非常に魅力的でユーモラスだ。

作品のメインを張る殺せんせー&3年E組の生徒はもちろんのこと、そのライバル的ポジションの3年A組の生徒や理事長なども秀逸なキャラクターに仕上がっている。

特に3年E組の主力パーソンたちはどれも大好きな感じで素晴らしかった。男の子はかっこいいし女の子はめちゃくちゃ可愛い。誰もが一芸に秀でており頼りになりまくるようなキャラなのだが、どこかしら子供らしい一面を持っておりしっかり中学生しているのが非常に好印象だった。

中でも私のイチオシがこの二人…!

主人公の潮田渚(かわいい)倉橋陽菜乃ちゃん(かわいい)である。

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(出典):『暗殺教室』第9巻より

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(出典):『暗殺教室』第7巻より

渚は登場当初は自分に自信がなく親の言うとおりにして平穏無事に過ごしたい、というタイプのキャラクターだったのだが、彼こそ暗殺教室を通じて人間的に大きく成長する人物の一人なのである。クラスに一人はいるようなタイプだったのだが暗殺との出会いが彼の人生を大きく変えたようだ。あと、一応男の子なのだが非常に中性的に描かれておりむしろめちゃくちゃに可愛い。中盤くらいまでは渚の性別は敢えて明かしておらず読者の性癖をごちゃごちゃにしようという作者の意図が見え隠れしているのもまた一興。

 

陽菜乃ちゃんはもうホント普通に可愛い。3年E組の女の子たちはどれもめちゃくちゃ可愛くて魅力が大渋滞しているわけであるが、その中でも陽菜乃ちゃんのポテンシャルは頭一つ抜き出ている。キャラクター的には勉強ができるわけでもなく運動神経バツグンといったこともないので、ストーリー上の出番はほとんどないのが玉に瑕であるが、そこにさえ目をつぶればあら不思議、天真爛漫な超絶美少女の出来上がりなのだ。陽菜乃ちゃんだけでスピンオフ作品を作ってほしいという私の願いが松井先生に届くことを心から願っています。

 

 

殺せんせーの過去と意外に張られている伏線!
ただのコミカルマンガとは言わせない!

非常にポップな雰囲気でテンポよく話が進む本作品であるが、作品終盤にはこれまで隠されていた殺せんせーの出生秘話がついに明かされるなどシリアス的な展開も用意されており、大人もガッツリ楽しめる内容になっている。

特に終盤に来る大きなタネ明しに関しては序盤からばちこりと伏線が張られているため、後で振り返って「なるほど~!」と舌鼓を打つのも本作品の楽しみ方の1つなのだ。ネタバレになってしまうのであまりこの場で言えることは残念ながらないのだが、私から言えることはただ一つ。それはこの作品が非常にGreatでマーベラス、かつポップカルチャーでベンチャー的な気質・風土を兼ね備えた作品だということだ。

私の言葉が嘘でないことを一人でも多くの方がマンガを読んで感じてほしいと心から願う。

 

 

 

総評

『暗殺教室』いかがだったでしょうか?

手に取って大人買いしたことに一片の悔いなし!きわめて有意義な週末を提供してくれた本作品に最大限の称賛をお送りしたい。