『葬送のフリーレン』という作品が2021年のマンガ大賞を受賞したと聞いて私は早速心を躍らせつつコミックス表紙を見に行ったのを鮮明に覚えている。
その時、私はなぜかどういう訳かこの作品がよくある異世界転生モノだと思ってしまったのだ。一体全体どこの要素をもとにそう判断してしまったのかはさっぱり分からない限りなのだが、「なんだ、遂に異世界転生モノがマンガ大賞を受賞するまでになってしまったのか…(絶望)(異世界転生モノに対するナゾの拒絶感)」とガッカリして枕を濡らしてしまったことを鮮明に覚えている。タイムリープして当時の私をブチ殺してあげたい一心ではあるが、残念なことに過去は変えられない。
ところが最近Ebookjapanで『葬送のフリーレン』が取り上げられていた。
その時の謳い文句は「魔王を倒した後の勇者一行のリアル 本格”後日譚”ファンタジー!」・・・・ん?なんだか話が違うくないか?もしや途中で作品方針が大きく変わったのか?などと頓珍漢な想像を膨らましつつ遂にこのマンガを読むに至ったのである。
というわけでレビューしていきます…
※ネタバレほぼ無です!あらすじ紹介ぐらい!
だってなんか異世界転生っぽくない・・・?
(出典):『葬送のフリーレン』第1巻より
あらすじ
魔王を倒して王都に凱旋した勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンの勇者パーティ4人。10年間もの旅路を終え、感慨にふける彼らだが、1000年は軽く生きる長命種のエルフであるフリーレンにとっては、その旅はとても短いものであった。そして50年に一度降るという「半世紀エーラ流星」を見た4人は、次回もそれを見る約束をしてパーティを解散する。
50年後、すっかり年老いたヒンメルと再会したフリーレンは、ハイターやアイゼンとも連れ立って再び流星群を観賞する。その後にヒンメルは亡くなるも、彼の葬儀でフリーレンは自分がヒンメルについて何も知らず、知ろうともしなかったことに気付いて涙する。その悲しみに困惑した彼女は、人間を”知る”旅に出るのだった。
(出典):wikipediaより
本作の主人公は勇者ではなく、勇者パーティの一員だった魔法使いフリーレン。
そして物語は魔王を倒した後日譚という体ではじまるゴリゴリのファンタジー系漫画である。
エルフであるフリーレンはその寿命もゆうに1,000年を超えるらしく、そんなフリーレンにとってせいぜい100年程度で死んでしまう人間と言うのはあまり興味の対象ではなかった様子。実施、冒険に費やした10年間というものフリーレンからしてみれば人生のほんのほんの一部だったのだが、勇者ヒンメルの死に際にフリーレンは「もっと彼のことを知っておけばよかった…」と強く後悔をするのであった。(それほどまでに勇者一行の冒険はフリーレンにとって大きな思い出だったんですね…およよ…)
そして勇者ヒンメルの死後、彼のことをもっとよく知ろうと一行で冒険した地を再訪して回るというのがこの物語の大筋となるのです。
当然のことながら異世界転生の話などこれっぽっちも登場いたしません。何をもって私が異世界転生モノだと嗅ぎ取ったのか今さら皆目見当もつきませんし、もはや盲目、見る目ナシのチンポコクソ野郎と罵られても一切合切 否定はできないのであります。
まずは基本情報から
週刊少年サンデーで2020年から連載がスタートしており、2021年7月現在既刊5巻ながら既に売上は350万部を突破しているらしい。すごい(小並感)
賞レースもマンガ大賞を制するなど獅子奮迅の活躍ぶりをしめしており、その他の何だかがよく分からない有象無象の賞も総ナメというまさに飛ぶ鳥を落とす大活躍だ。
あまり少年サンデーのマンガはおさえられていないのだが、おそらく多分間違いなく『葬送のフリーレン』は少年サンデーの看板的ポジションを手中に収めようとしているマンガなのではないでしょうか。Maybe…
- このマンガがすごい!2021 オトコ編 2位
- 全国書店員が選んだおすすめコミック2021 2位
- 出版社コミック担当が選んだおすすめコミック2021 3位
- 新刊マンガ大賞2021 Presented by 東京マンガレビュアーズ 2位
- 第1回 ebook japanマンガ大賞 2位
- マンガ大賞2021 大賞
- 第25回手塚治虫文化賞 新生賞
- 第5回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞 5位
ワイ的総合評価
ストーリー | ★★★★★★★★★★ |
---|---|
画力 | ★★★★★★★★★★ |
キャラクター | ★★★★★★★★★★ |
ロジック | ★★★★★★★★★★ |
コマ割り | ★★★★★★★★★★ |
ここがアツい!
苦楽を共にした仲間のことをもっと知ればよかったと後悔するフリーレン
新しい仲間とともにかつての旅路へ…
普段はあまり感情を表に出さずドライ気味なフリーレンだったが、ヒンメルのお葬式で楽しかった冒険の思い出に浸り涙を流すフリーレン…
人間なんてどうせすぐ死ぬんだから関わり合っても意味がないと思って彼のことを知ろうとしなかったことを、ヒンメルの死後になって初めて後悔しはじめます。この時点ですでに何百年と生きているフリーレンですが、勇者一行との短い冒険がフリーレンの人生にとって非常に大きなものであったことを感じさせますね。
(出典):『葬送のフリーレン』第1巻より
この後悔からフリーレンはヒンメルたちとかつて回った地をもう一度冒険するようになります。なぜかって?冒険の跡地を巡ることで当時のヒンメルたちのことをもっと知りたいと思ったからです。およよ、、涙涙。こういうちょっと寂しい一面もあるファンタジー作品なんですね。
ちなみにフリーレンはもともとの天才的な魔法の資質に加えて、数百年に及ぶ絶え間ない魔力の研鑽によりもうそれはそれは圧倒的で無双的な大魔法使いです。なのでその活躍っぷりは一瞬異世界転生モノを彷彿とさせるとかさせないとか。
旅を共にする愉快な仲間たち!
今度は自分のパーティを改めて持ったフリーレンが何を想うか…!?
どうせ自分より先に死んでしまうから、という理由でパーティを組むことを嫌っていたフリーレンでしたが、ヒンメルの死を契機に少しずつ他者に心を開き始めます。
そんなフリーレンの旅に同行する少年少女がこの二人!
可愛い方がフェルン、可愛くない方がシュタルクといいます!
フェルンはちょっぴり怒りん坊でフリーレンが寝坊なんかした日にはプンプンしてしまいますが、基本的には面倒見の良いめちゃくちゃ可愛い女の子です。激推しです。今度フェルンの可愛かったシーン100選で記事を書こうと思っています。
もう一人のシュタルクはまぁちょっと弱気で頼りない感じの戦士です。ただ実力自体はかなりのもので単独で竜を撃退できるほど。ただ少しエッチでふにゃっとした性格の可愛い少年ですね。こちらも見ていて不快感は全くない人物像なので、私の購買意欲を下げてしまうものではないです。よかったね!
(出典):『葬送のフリーレン』第2巻より
総評
『葬送のフリーレン』いかがだったでしょうか?
マンガ大賞作品はチェックしなきゃ!という方も多いでしょう。絵柄的にも今後のアニメ化には大いに期待できますので、早くから手垢を付けて古参ぶりたい方は見逃せません!
漫画が大好きすぎてオススメ漫画を紹介するためのブログを作っちゃいました!現在記事を精一杯作成中ですので、ここにどんどん投稿していけたらいいなと思ってます!
— マンガ暮らし (@AllMangaMax) 2019年12月9日
漫画好きと繋がりたいので、皆様どうぞよろしくです!