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『サマータイムレンダ』が推理小説顔負けの名サスペンスで脳がシワシワになっちゃう件

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(出典):少年ジャンプ+ 公式サイトより

『サマータイムレンダ』は、2017年10月から少年ジャンプ+(集英社)で連載中のタイムループ系サスペンス漫画です。作者の田中靖規先生は過去に週刊少年ジャンプで『鍵人』を連載していた経験をお持ちです。(鍵人読んだことないけど……)

過去作の経験を活かし、遂に今回ロングヒットを世に産み出したわけです!

 

みんな大好きなタイムループを軸にしたサスペンス漫画。

タイムループと言えば超有名作として『時をかける少女』(映画やんけ……)が上がると思いますが、タイムループ業界のヒエラルキーを揺るがしかねないポテンシャルをこの『サマータイムレンダ』は持っているように思います。

※ネタバレほぼ無です!あらすじ紹介ぐらい!

本棚はこんな感じになる

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あらすじ

網代慎平は幼馴染・潮(うしお)の訃報を聞き、葬儀に参列するために2年ぶりに生まれ育った故郷・日都ヶ島(ひとがしま)に戻る。潮は海の事故で亡くなったと聞いていたが、居合わせた親友の話では潮の死には不可解な点があり、他殺の可能性が浮上する。その背後に見え隠れするのは、日都ヶ島に昔から伝わる「影」の存在。

『「影」を見た者は死ぬ』ー。

翌日、突如として姿を消す島民一家。慎平は一家の失踪の真相を追ううちに「影」の思惑に巻き込まれていく。

(出典):Wikipediaより

和歌山県和歌山市の離島を舞台としたSFサスペンスになります。

幼馴染の死をきっかけに帰郷した慎平は潮の死に疑問を感じ色々調べていく中、この島には「影」という謎の生物が生息していることに気付きます。そして慎平は手に入れた謎の力「タイムループ」の能力を使って何度も死を繰り返し「影」謎に迫っていくという物語です。

 

よくあるタイムループものか?と誤解することなかれ…!

ちょろっとタイムループするぐらいなら他作品にもよく見られることですが(知りませんが)、『サマータイムレンダ』では慎平が10回以上死んでループを繰り返して謎に迫っていくのであります。そしてループをする度に判明する新しい真実!張り巡らされた伏線!が凄すぎてまるで推理小説をそのまま読んでいるかのような感覚が味わえます。

(話についていけず何度「ファ…!?」と言って読み返したことか……)

タイムループ業界では間違いなくトップクラスの完成度であることは間違いありません!

 

 

 

まずは基本情報から

2020年6月現在10巻まで発売済みです。

なぜか累計発行部数は調べても調べても数字が出てこず分からなかったのですが、噂によるとその内容の面白さとは打って変わり初動発行部数はかなり控えめになっていたようでどこの書店でも売り切れ続出という状態になっているみたいです。

今勢いのある少年ジャンプ+産の漫画なので、今のうちに抑えて全巻読んでおかないとマンガ通を名乗れないでしょう…… 

受賞歴ですが、しっかりと「次にくるマンガ大賞2018」にノミネートされており、「サマータイムレンダをしっかりノミネートしてくるとは、今のマンガ業界も捨て置けないな……」とマンガファンが唸ったとか唸らなかったとか…

 

 

 

総合評価

ストーリー ★★★★★★★★★
画力 ★★★★★★★★★★
キャラクター ★★★★★★★★★★
ロジック ★★★★★★★★★★
コマ割り ★★★★★★★★★★

 

推理小説かっ!てくらい話と設定練りすぎ!

タイムループものって話を矛盾させないのが結構難しいと思うんですが、この作品には本当に矛盾とか全くないように感じます。

それどころか主人公のタイムループの使い方とかめちゃうまくて、

 「もっとこうしたらいいのに!」

 「あの時こうするべきだったやん!」

みたいな読者目線で色々言えてしまうマンガってあるとは思うんですが、この作品には本当にそういうの全くないように感じます…!

最近は作者天才か…?って思うマンガばっかり……

 

設定も単行本の後ろページに毎巻数ページに及ぶ設定資料が公開されていて、とんでもないボリュームだと圧巻されるばかりなのです。特に「影」の設定の細かさ、作り込みの丁寧さには鳥肌が立ちました…

 

 

 

ここがアツい!

話の作りこみがエグすぎる……!3周読み必須!

タイムループ物の宿命と言えるのがやはり「話がどれだけ作りこまれているか…?」というところだと思います。タイムループを繰り返すうちに話に矛盾点が出てきたり、読者への納得感がなくなってしまったなんてことがあればタイムループ物は一気に駄作に成り下がってしまいますよね。

さて、というわけで『サマータイムレンダ』を時には推理小説も嗜み「現代のワトソン君」と呼ばれた私が厳しい目線で評価するとどうなるか……! 

 

話と設定が練り込まれすぎて粗探しなんか到底できんかった……!!!

(というか難しすぎて一度読んだだけじゃよく分からんかった……!!!)

 

タイムループ2~3周目ぐらいまでは私も「フンフンなるほどね、やるじゃん……」と高みの見物で少女漫画に出てくるような高飛車イケメンのスタンスで読み進めていたのですが、後半佳境に差し掛かりタイムループの回数が多くなって過去の伏線回収なんかが始まったところでは

 「はえははえ…?ちょっと待って……!」

 「あぁ~これあれかな…!?何か言ってたのは覚えとる…!」

 「お前、誰やったっけ……?」

となってしまい、敢え無くワトソン敗走……

一気読みしなかったのが運の尽きじゃったか……

  

改めて1巻から読み直してみるとこれがまた笑っちゃうくらいおもしろい!なるほど2周読みを前提とした作品でしたか!となるわけですね。

ただ2周目も

 「おぽぴょぴょ……!?これってこうなんでした……?」

 「あ、ここってこうなっての……ん…?」

 「お前、誰やったっけ……?」

となることが多々あったのです…(これは単純に私の記憶力の問題だと思いますが……)

推理小説をマンガで読みたいと思ったことはありませんか?

ついに願いが叶う時が来たのです、そう『サマータイムレンダ』ならね

 

 

 

総評

『サマータイムレンダ』いかがだったでしょうか?

推理小説をマンガで読める機会なんてこの先早々ないと思われます。ましてやこの高品質でね……

ぜひご一読ください!