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『恋は雨上がりのように』が中年男性が今一番読むべき神少女漫画だった件

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(出典):となりのヤングジャンプ 公式サイトより

『恋は雨上がりのように』(略称:恋雨)は、2014年から月刊スピリッツ、ビッグコミックスピリッツ(小学館)で連載がスタートした青年恋愛マンガです。作者眉月じゅん先生の一番のヒット漫画と言えるでしょう…!

 

絵柄はドストレートに少女漫画のタッチそのものなので、私も最初は「どうせ少女がイケメンに惚れてイチャコラになる恋愛漫画なんでしょう…?」とか「しょーもないありきたりな女子中学生向けの恋愛漫画なんでしょう…?」など厳つい偏見を持って臨んだわけですが、これが大誤算……!

 

17歳の女子高生と45歳のバツイチ中年というアンマッチングな恋愛関係を描きながらも、このマンガの本線は「挫折からの再生」「色褪せない青春」という素晴らしいメッセージがビシバシと伝わってくる最高のマンガだったのでした……!

もはや聖書とか六法全書とか、そのレベルで尊い…!少女漫画ながら女性よりも男性の方が読んで感じる部分が多いと思うのです…

 

高校時代に戻りたい…!でも中年だっていいところがあるのさっ…!

行くぜ……!

※ネタバレほぼ無です!あらすじ紹介ぐらい!

本棚はこんな感じになります。

面白すぎて爆速で勢いよく大人買いなのです。

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あらすじ

高校2年生の橘あきら(17)は、アキレス腱のケガで陸上の夢を絶たれてしまう。 偶然入ったファミレスで放心しているところに、優しく声をかけてくれたのは店長の近藤正己(45)だった。それをきっかけにあきらは、ファミレスでのバイトを始める。
バツイチ子持ちでずっと年上の近藤に密かな恋心を抱いて……
あきらの一見クールな佇まいと17歳という若さに、好意をもたれているとは思いもしない近藤。しかし近藤への想いを抑えきれなくなったあきらはついに近藤に告白する。
近藤は、そんな真っ直ぐな想いを、そのまま受け止めることもできず――
真っ直ぐすぎる17歳、さえない45歳。ふたりに訪れる、人生の雨宿りの物語。

 (出典):Wikipediaより 

どんな二人の恋愛マンガなんだと思いきや、17歳高校生と45歳中年男性というところでまずは驚かされるのです…

しかも店長の方は、渋くてかっこいい45歳というわけではなく「ガチのマジで中年のおっさん」という表現がぴったりな人物…

  • 口を押えず大きなくしゃみ
  • おしぼりで顔面をフキフキ
  • 頭頂部に10円ハゲ
  • ズボンのチャック閉め忘れがち
  • 雇われ店長で常にヘコヘコ……Etc

親父界隈の数え役満を見事達成する勢いのダメなおっさん要素をフルコースで取り押さえたこの男に橘あきらは惹かれていくのです…!

 

橘あきら(劇的に可愛い…!)

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(出典):恋は雨上がりのように コミックス10巻より

近藤正己(すごくダメそう…)

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(出典):恋は雨上がりのように コミックス1巻より

 

クールな面持ちなあきらでしたが、第1巻で早々に自身の思いを店長に伝え、その後は何とも甘酸っぱい猛アタックをしかけるのです…!その様子がとてもとても可愛らしくて心がキュンキュンしてしまうのです…!

 

そしてこのマンガのもう1つの重大要素「過去の挫折からの再生」に関して、重要な登場人物がもう2人…!それがあきらの陸上部の親友・喜屋武 はるか(きゃん はるか)と店長の大学時代の同級生・九条 ちひろ(くじょう ちひろ)なのです。

 

喜屋武 はるか(健康的で可愛い…!)

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(出典):恋は雨上がりのように コミックス5巻より

 

九条 ちひろ(45歳に見えない…)

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(出典):恋は雨上がりのように コミックス9巻より

 

あきらと店長が自分の過去の挫折を乗り越えるために、この2人が大きくかかわってきます。ただの少女漫画ではない…!明らかにこれは人生の教科書と言っても差し支えない……!!

 

 

 

まずは基本情報から

2020年7月現在、単行本10巻で完結済みとなります。

累計発行部数は200万部を突破!TVアニメ化も達成!そして2018年には実写映画化も達成…!と各方面で大活躍を果たしており、タイトル聞いたことある!って人が多いのではないでしょうか?(あれ、もしかして紹介するまでもない……?)

 

受賞歴についても

  • このマンガがすごい! 2016オトコ編
  • マンガ大賞2016

にしっかりノミネートされており、世間的にもかなりの高評価なマンガなのです。しっかりオトコ編の方にノミネートされているのが非常に好印象…!

 

 

 

総合評価

ストーリー ★★★★★★★★★★
画力 ★★★★★★★★★★
キャラクター ★★★★★★★★★★
ロジック ★★★★★★★★★★
コマ割り ★★★★★★★★★★

あきらちゃんのひたむきな姿勢が萌える…!

青春をやり直したくなること間違いナシ…!

こんな少女漫画があるなんて、知らなかった…出会えてよかった……

 

まずは絵が魅力的でバチコリ惹かれてしまったのです…

絵の清涼感と色っぽさをハイレベルに表現している繊細の線の雰囲気がとてもステキ…扉絵やら決めゴマも透明感が非常に高く、見ていて心がきれいになるシーンばかりなのが高評価なのです…!

どうですかこの扉絵の爽快感・透明感・博麗感は…!心に来るものがあるでしょう…?普段仕事のストレスで心が薄汚れている私もこの扉を得見た瞬間、仕事のうっ憤をすべて忘れて無意識にスクショを取り壁紙に設定してしまうほどでした…!

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(出典):恋は雨上がりのように コミックス1巻より

 

 

 

 

ここがアツい!

青春真っただ中の女子高生と青春を思い出す中年男性との対比が芸術的…!

ただの年の差恋愛を描いて終わり!wという作品ではなく、橘あきら・店長の2人には諦めきれなかった夢があり、最終的には自身の夢に向き合って進むようになるのですが、そこに至るまでの細かい心情描写がぐっときます…!

 

高校生で青春真っただ中のあきらちゃんは、非常に純粋でストレートに自分の感情を表現していけるのですが、繊細な一面もあり自分でも感情のコントロールがイマイチできていないよう…その高校生の葛藤を描くのが非常に上手だと言わざるを得ないですね…

 

一方、店長の心理描写も極めて秀逸で「今更俺に何ができるんだ…」と理想と現実のギャップを感じながらも、それを覆せるほどの活力はもうないんだ…と正にThe・中年男性という感情を見事に描き切っており、全国の同年代サラリーマンは涙なしには読めないのではないでしょうか…?(私はもう少し若い年代なのですが、将来的に自分がこうなっているビジョンが容易に想像できて、先走り感情移入してしまいました…!)

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(出典):恋は雨上がりのように コミックス1巻より

「君にもあるんじゃないのか?待たせたままの…季節の続きが。」

非常にきれいでなんとも心に訴えかけてくる言葉です…私も現役高校生の頃にこんな風に言ってもらいたかった……

待たせたままの季節がある方、必読を強くお勧めします…!


 

 

総評

『恋は雨上がりのように』いかがだったでしょうか?

青春時代の恋愛と葛藤、そして挫折からの復活を10巻で見事にまとめ切った名作です。少女漫画ながら、むしろ少年青年にぜひ手に取っていただきたい…!そんな作品になっております。

ぜひご一読ください!