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『嘘喰い』が知略と謀略にまみれた珠玉の傑作だった件

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(出典):ゼブラック 公式サイトより

『嘘喰い』は、2006年24号から2018年3・4合併号まで週刊ヤングジャンプ(集英社)で連載されたギャンブル系漫画です。2020年現在『バトゥーキ』を連載中の作者:迫 稔雄先生のなんと処女作!処女作でこれ書けるのは化け物やん……

 

ギャンブルを題材とした作品で、実在・オリジナルを問わず幅広い種類のギャンブルやゲームが取り上げられ、登場キャラクターがマジでハイレベルな頭脳戦を繰り広げます。その一方で、殺人が容認されたギャンブル、負けを踏み倒したり勝負から逃れようとする相手を逃がさないための暴力や権力にも重点が置かれており、格闘漫画・アクション漫画としての一面も垣間見えます。それらシリアスなストーリー展開の中に時折、叙述トリックや言葉遊び、シュールギャグなどが挟まれ、ミスリードが多く常に何らかのどんでん返しをしているのが本作品です。

以上を踏まえ『嘘喰い』を一言で表すと、

「超次元的デスギャンブル!殴る蹴るも時々するけど、それも戦略のうちだよね!?」的な漫画です。

 

ということで、私のように知力と謀略に塗れた人間にはもってこいな作品です。本当にこれよりゲーム性が練られた漫画って他にないのであります……

※ネタバレほぼ無です!あらすじ紹介ぐらい!

背表紙残念過ぎて草ァ
ヤンジャンの漫画はEbookjapanだと真っ黒になるのがイマイチ

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あらすじ

ギャンブル好きの青年、梶隆臣は借金に悩みつつもパチンコを打っていました。隣の席でパチンコの演出にとまどっていた、「嘘喰い」と呼ばれる主人公・斑目貘に親切心から当たりを教えたことで、彼のギャンブラーとしての運命が動き出します。

ギャンブラーの頂点であり、賭けを取り締まる組織「賭郎」を束ねる切間創一と、彼にギャンブルで惨敗して再戦を望む貘。梶の成長と貘の衝撃の過去、そして負けることが許されないギャンブル対決の幕が上がっていく。

(出典):Wikipediaより

 一般人枠の梶が最強ギャンブラーの斑目貘と偶然出会うところから物語は始まります。

そこから貘の過去にフォーカスしてストーリーは進んでいくのですが、梶もこれまでの鎖に腐った人生を捨てて貘についていくことを決意するのであります。この物語は梶の成長を楽しむのも醍醐味の一つなんですねえ…はいはいおもろいおもろい。

 

 

 

まずは基本情報から

全49巻で2018年に完結済みです。

累計発行部数は550万部を突破しており、同売上帯には『僕のヒーローアカデミア』『亜人』など名だたる名作が名を連ねています。

とはいえ、私の感覚として知名度的にはもうちょい下かな…?と思いますのでまさに「隠れた名作」と呼んで差し支えないでしょう!

 

調べた限り受賞歴はほとんどないようでしたが、2016年に連載10周年を記念して実写映画企画が立ち上がっていたようです。ただ、2016年にヤングジャンプの表紙を飾って告知がなされて以来、2020年までの4年間で一切の続報なし…!笑 キャストも何も決まっていないようです。まだ執筆中の可能性もありますがね、ドン=フリークス的な…

 

 

 

総合評価

ストーリー ★★★★★★★★★★
画力 ★★★★★★★★★★
キャラクター ★★★★★★★★★★
ロジック ★★★★★★★★★★
コマ割り ★★★★★★★★★★

 

賭博・暴力の二大要素を他者の追随を許さない圧倒的スケールで描き切っています。

いわゆるデスゲームを扱った漫画は世に掃いて捨てるほどありますが、ゲームのネタと登場人物の心理描写そして駆け引きのレベルが極めて高い…本当に高い…

作者の頭が良すぎた結果、初見で全ての内容を把握するのはほぼ不可能な作品が誕生してしまいました。ましてやこんなもの、週刊連載で読んでいた読者はついていけるはずもありません…私は単行本を3周しました…

 

絵についてですが、序盤は黒多めの劇画チックで中々読者を選ぶ模様でした(ちょうどジョジョ 第一部みたいな感じでしょうか?)、中盤以降作者の画力はあれよあれよとうなぎ登りに急上昇、終盤には非常に見やすい劇画となりました。めちゃくちゃかっこいいしオサレです。

↓47巻の表紙とかメガかっこいい。。!

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(出典):嘘喰い コミックス47巻より

ギャンブル系漫画の金字塔、読まずしていられないのです……!

 

 

 

ここがアツい!

作者の頭が引くレベルに良すぎる!

ギャンブルゲームの醍醐味と言えば、やはり「相手がどんなイカサマをしてきているのか…?」「それに対して主人公陣営の作戦は…!?」という話に落ち着くのですが、作中登場するには作者オリジナルゲームが基本になりますので、否応なしに作者の頭の良さが試されるわけです。

 

この点で言うと、読破した私が導き出した結果は作者のIQが999Overであるということ…!普通に生きてたら思いつかないレベルの心理的駆け引き、悪魔的なゲーム性、そして数多の巧妙な伏線…!!特に伏線に関しては、伏線を張るのがさりげなさすぎてかつ昔過ぎてまっっっったく覚えていないようなGreatな伏線ばかりなのです。伏線回収の度に度肝を抜かれ失禁してしまいパンツがビショビショになってしまいました…とはいえ、ページをめくる手が止まることは決してないのです…!言うなれば失禁不可避マンガなのです…!

(こう書くと後付けやん!?と思うかも知れませんが後付けでは確実にございません。なんか後付けじゃなくて考えられてる感がすごくするからです)

 

特に最終盤の卍決戦⇨エア・ポーカー⇨ハンカチ落としの流れは作中屈指の熱量で必見です。特に私はエア・ポーカーが好きなので三日三晩語り尽くしたいぐらいですね

 

 

 

 総評

『嘘喰い』いかがだったでしょうか?

知略と謀略好きな人間にはもう堪らんこと間違いなしと思われます。私は貘に憧れてオンラインカジノに手を出してしまったほどです。すぐに負けましたがね…!!

ぜひご一読ください!

 

以上